7月例会 JAEA Research 2007-072報告書について

7月例会


日時:2017年7月22日(土)10:00〜12:30
内容:
JAEA Research 2007-072報告書について レジュメ
報告:中西正之氏

<報告>
 中西氏により,日本原子力開発機構(JAEA)の森山らによる報告書「軽水炉シビアアクシデント時の炉外水蒸気爆発により格納容器破損確率の評価」(JAEA-Research 2007-072)の紹介があった.JAEAの森山らは,開発した水蒸気爆発シミュレーションのためのJASMINEコードを使って沸騰水型原発(BWR)と加圧水型原発(PWR)の格納容器のメルトダウン発生時における格納容器破損確率の評価を行なっている.PWRについては,関西電力から格納容器構造に関するデータを提供してもらい,溶融貫通した炉心溶融物が原子炉下部キャビティに形成された水プールに落下し水蒸気爆発が発生するというシナリオを考えている.キャビティのコンクリート壁の外側への変異が壁厚の20%に達した時を損傷と設定している.PWRのキャビティ内水蒸気爆発について様々なシミュレーションを行い,平均的に6.8%の損傷確率があると報告している.水蒸気爆発に関して特に注意を要することは,直径数ミクロンから数十ミクロンの微粒子が生成され,わずかな気流によって運ばれるということである.この微粒子には溶融炉心のほぼ全ての成分があり,したがって放射能の高い核分裂生成物を含み,体内に取り込むと重大な内部被曝を起こすことになる.

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