奈良林直氏の参考人意見陳述について

奈良林直氏の参考人意見陳述について

2014年4月4日
福岡核問題研究会


 去る1月24日に,佐賀県議会・原子力安全対策等特別委員会で,北海道大学大学院教授の奈良林直氏が参考人として意見陳述をされました.その一部始終は
県議会の録画で見られます.
 玄海原子力発電所の再稼働については,目下原子力規制委員会が審査中であり,もし可となった場合は最終的に県の同意が求められます.そのさいに県議会の責任は大きく,それに応えるための準備として,今回の参考人招致が,そしてまた
昨年12月13日の東大名誉教授・井野博満氏の参考人招致が実施されたものと思います.
 そのような重要な意味を持つ参考人陳述ですが,奈良林氏の発言には明かな誤りや,聞き手に誤った認識を生じさせる恐れのある箇所がいくつも存在します.私たちは,奈良林氏と同様に科学技術分野における教育・研究や実務に携わってきた者として,この問題点を指摘しなければならないし,そうでなければ無責任であると考えました.
 そこで,明白な誤りや誤った認識を生じさせる恐れが極めて大きいポイントに絞り,かつ客観的情報が容易に入手できる範囲で,問題点を指摘したいと思います.同時に,奈良林氏ご本人から訂正が行われることを期待しています.

  • この文書は,4月4日,佐賀県議会事務局に議員への配布を依頼,また佐賀県政記者室に「投げ込み」をし,4月7日10時30分よりの記者会見を設定してもらいました.これに先立って,奈良林氏宛に,手紙を付けて郵送しました.
  • 4月7日10時30分よりの記者会見では豊島,三好の出席のもと,佐賀新聞,毎日新聞,読売新聞,西日本新聞,共同通信など7つの報道機関の記者が集まりこちらの説明を聞き,若干の質疑応答がありました.

奈良林直氏の参考人意見陳述について」のpdfファイル

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4月8日の毎日新聞の佐賀地方版に以下の記事が載りました.

県議会原子力対策特別委:参考人の奈良林氏「発言内容に問題」 核問題研究会が指摘 /佐賀
毎日新聞 2014年04月08日 地方版

 県議会原子力安全対策等特別委で1月、参考人出席した北海道大大学院教授の奈良林直氏の発言について福岡核問題研究会(三好永作世話人、約10人)は7日、県庁で記者会見し「誤りや間違った認識を生じさせる恐れのある箇所がある」と指摘した。指摘内容は文書で奈良林氏と県議全員宛てに送ったという。
 奈良林氏は1月24日、九州電力玄海原発(玄海町)の再稼働の是非を巡る参考人招致で、再稼働に肯定的な立場で意見を述べた。
 研究会は学識経験者らで組織。会見した会の豊島耕一・佐賀大名誉教授によると、奈良林氏の発言のうち、原子力発電と太陽光発電のコスト比較▽放射線の人体への影響▽高レベル廃棄物埋設の安全説−−など計7項目について「誤り」や「国際的な常識や定説を否定している」などの問題があるという。
 水蒸気爆発の発生条件については「溶融物(核燃料など)が3000度以上で、落下先の水温が30度以下」との奈良林氏の説明に対し「溶融物が3000度以下でも、水温が30度以上でも水蒸気爆発が起きる例がある」と反論した。
 豊島名誉教授は「原発については、科学的で正確な認識を持ってもらいたい」と批判した。【松尾雅也】

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