川内原発審査書の過酷事故への対策を問う(3)

ー溶融炉心とコンクリート相互作用への「水張り対策」は世界的に珍策ー

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2014年9月8日  福岡核問題研究会

1. なぜ溶融炉心とコンクリート相互作用の対策を問題にするか

 本論考は原子力規制委員会・新規制基準にもとづく川内原発審査書案の過酷事故対策の批判的分析1(水蒸気爆発防止策)[1],同2(水素爆発対策批判)[2]に続くものある。
新規制基準において、水素爆発の可能性が払拭できていないことについて、井野・滝谷氏の論文[3]では、次のような問題点が多数指摘されている:
 溶融炉心が流れ出てくると、いわゆる水・ジルコニウム反応だけでなく、溶融炉心とコンクリートとの反応(溶融炉心・コンクリート反応、MCCIと略)によって水素が発生し、より水素爆発の可能性が高まる。「加圧水型(PWR)原子炉は格納容器が大きいから水素爆発の心配はいらない」というのは非科学的である。1979年のスリーマイル島原発の炉心溶融事故の際には、水素爆発の危険性が最も懸念されていた。モデルによる解析でも、水素爆発発生までの数値に余裕がなく、MCCIや、格納容器内での水素濃度の偏りの可能性を考えた場合、水素爆発はリアリティを持っている。そして、沸騰水型とは違い、加圧水型(PWR)は格納容器が大きいだけに、その爆発の威力も逆に格段に大きいと見ておいた方がいいのではないか。
 本年4月中旬、世界の原子力規制の動向に精通した原子力コンサルタントの佐藤暁氏が新規制基準における過酷事故が非常に不十分であることを詳しく議論している[4, 5]。特に、講演資料[4]の21ページにおいて、再臨界、水蒸気爆発、MCCIの評価に対しては慎重さが必要としている。
 過酷事故(シビアアクシデント)の際、溶融核燃料と格納容器の下部キャビティのコンクリートの相互作用により、コンクリートの骨材が石灰岩系であれば、水素だけではなく、CO2、COも大量に発生することは、一般にはほとんど知られていない。しかし、原子力研究者の間では従前より認識され、徹底的に研究されてきた。

fig3-1

詳しくは、例えば、論文[6]を参照のこと。溶融炉心とコンクリート相互作用については、他にも、部分的ではあるが、いくつかの文献でも言及されている[7, 8, 9]。
 MCCIについて東電の事故調査報告書[10]には全く言及がなかったが、その認識が新たに得られたのか、言及しないことの不自然さを意識したのか不明であるが、東電の本年8月6日の公表資料[11]のp.12には「溶融燃料が十分に冷却されない場合、溶融燃料と接触した格納容器床面のコンクリートが融点以上まで熱せられることにより、コンクリートが分解するコア・コンクリート反応が生じる。コア・コンクリート反応では、水素、一酸化炭素等の非凝縮性ガスが発生するため、格納容器圧力変化や放射性物質の放出挙動に大きな影響を与える。しかしながら、実際にどの程度のコア・コンクリート反応が生じていたかについては明らかになっていない。従って、コア・コンクリート反応がどの程度生じていたのか評価するとともに、それが事故進展に及ぼす影響について検討する必要がある。(共通-5)」
という記述が現れた。また、高温燃焼炉設計に長年従事した中西正之氏もMCCI対策の重要性を強調している[12]。

2. 溶融炉心・コンクリート相互作用のおきる原子炉こそ致命的弱点

 川内原発の審査書案[13]に於ける川内原発1・2号炉の溶融炉心・コンクリート相互作用(MCCI)についての検討はpp.201-205に記載されている。関連する第58回検討会における資料[14]の「1 まえがき」には以下のように、MCCIについての知見が不十分であると記している。
 「溶融炉心とコンクリートの相互作用(MCCI:Molten Core Concrete Interaction、以下、「MCCI」と称す。)に関しては、国内外において現象の解明や評価に関する多くの活動が行われてきているが、現在においても研究段階にあり、また、実機規模での現象についてほとんど経験がなく、有効なデータが得られていないのが現状であり、不確かさが大きい現象であると言える。そこで、国内外で実施された実験等による知見を整理するとともに、解析モデルに関する不確かさの整理を行い、感度解析により有効性評価への影響を確認した。」
 また,「2 現象の概要」には以下のような記述が見られる。
 「国内 PWR プラントでは、炉心損傷を検知した後に、原子炉キャビティへの水張りを行うことにより、溶融炉心がキャビティに落下した際の溶融炉心の冷却を促進することにより MCCI の防止/緩和を行っている。キャビティに落下した溶融炉心は、キャビティ水との接触により、一部は粒子化して水中にエントレインされ、残りはキャビティ床面に落下して堆積し溶融プールを形成する。エントレインされたデブリ粒子は、水と膜沸騰熱伝達し水中を浮遊するが、冷却が進むと膜沸騰状態が解消され、溶融プール上に堆積する。
 キャビティ底に堆積した溶融炉心は、崩壊熱や化学反応熱により発熱しているが、キャビティ水及びコンクリートとの伝熱により冷却されるにつれて固化し、冷却が不足する場合には、中心に溶融プール(液相)、外面にクラスト(固相)を形成する。
 コンクリートは、溶融炉心との熱伝達により加熱され、その温度が融点を上回る場合に融解する。このとき、ガス(水蒸気及び二酸化炭素)及びスラグが発生し、溶融炉心に混入され化学反応する。」
 しかし、「現象の概要」の文章の中で、「国内 PWR プラントでは、炉心損傷を検知した後に、原子炉キャビティへの水張りを行うことにより、溶融炉心がキャビティに落下した際の溶融炉心の冷却を促進することにより MCCI の防止/緩和を行っている」という対策の文章を混入させることは、あたかも現象が防止/緩和されることを自然現象のごとく思い込ませるような意図が感じられる。そのような意図がないとすれば、願望的思考の一例かもしれない。
 さらに、「6まとめ」では
「溶融炉心とコンクリートの相互作用(MCCI)に関しては、水プールに溶融物を落下させて溶融物の冷却性を確認した直接的な実験例は DEFOR 実験のみでありサンプルが少ない。また、COTELS 実験の知見より注水することでコンクリート侵食が停止したことが確認されている。
 これまでの実験により得られた知見に基づき分析した結果、MCCI に関する溶融炉心のキャビティへの堆積過程及び溶融炉心の冷却過程における不確かさの要因として抽出した、
 ・キャビティ水深
 ・Ricou-Spalding のエントレインメント係数
 ・炉心デブリの拡がり
 ・水-炉心デブリ間の熱伝達係数
について、感度解析を行い、コンクリート侵食への影響を確認した。
 その結果、水-炉心デブリ間の熱伝達係数を除いてはコンクリート侵食量への感度は小さく、重大事故対策の有効性評価の結果に影響は与えないことを確認した。水-炉心デブリ間の熱伝達係数については、侵食量が約 20cm となる程度の感度があったが、原子炉格納容器の構造部材の支持機能が喪失には至ることはない。この感度解析条件は、水-炉心デブリ間の熱伝達係数を低温の炉心デブリから水への熱流束に基づき設定したものであり、高温の炉心デブリが水と接触する場合においても水への熱流束が小さく評価されるものとなっている。想定される現象としては、炉心デブリが水中に落下し、高温の炉心デブリが水と接触している間は、水への熱流束が大きくなり、その間に炉心デブリが冷却されることから有意なコンクリート侵食に至ることはないと考えられる。
 感度解析の結果から、炉心損傷検知後、キャビティに水を張ることにより炉心デブリの細粒化及び固化を促進させる方策が有効であることを確認したが、今後、原子炉容器破損時における炉心デブリの放出状況に応じ影響因子間の相関を考慮し、コンクリート侵食への影響を把握する。
 また、溶融炉心とコンクリート相互作用(MCCI)については、複雑な多成分・多相熱伝達現象であり知見が不十分であること、また直接的な実験例が少ないことから、今後も継続してコンクリート侵食に対する検討を進め、知見の拡充に努める。」
 このように、現象を模擬する実験例が非常に少ないことを認めているにも拘わらず,一つの解析コードにおける使用されたパラメータの感度解析の評価で、影響は軽微であると結論づけることは説得力が低いと考えられる。なぜならば、「溶融炉心とコンクリート相互作用(MCCI)については、複雑な多成分・多相熱伝達現象であり知見が不十分であること、また直接的な実験例が少ないことから、今後継続してコンクリート侵食に対する検討を進め、知見の拡充に努める」[14]と記されているように、設定した物理的、化学的モデルの現実性は必ずしも明らかではないからである。さらに、3節で議論するように、注水が時間的に間に合わなかったり、注水量が不十分であったりする可能性も否定できない。
 一般にはほとんど知られていないが、溶融核燃料の状態に近い技術現場であると考えられる高熱溶融炉設計の常識は以下のようなことである[12]。

(A)コンクリートの基礎の上に、直接に溶融炉を設置すると、溶融物が漏洩してコンクリートと接触した時、コンクリート中の水分が水蒸気爆発して、コンクリート塊が溶融炉本体や作業員を直撃するので、コンクリート表面は脱水した耐火物で保護する。また、ほとんどの溶融物はコンクリートを溶かし、炉体の基礎を破壊するので、耐火物で保護する。
(B)溶融炉の下部で溶融物が固化すると、溶融炉下部の冷却機能を阻害し、再操業を困難にするので、炉下部から外側に溶融物が流れるような流路を設ける。

 このような常識から考えると、川内原発の過酷事故対策には、相当の高温状態が実現するにもかかわらず、高熱溶融炉設計の常識は全く生かされていない、と言わざるを得ない。
 1979年3月のスリーマイル島原発、1986年4月のチェルノブイリ原発の過酷事故の発生時、溶融核燃料のメルトダウンやメルトスルーが現実に起きる事が分かり、2800℃にもの高温度になった核燃料が格納容器のコンクリートと反応するMCCIが非常に危険だということが分った。
 そして、世界中でMCCIの再現実験と防止実験が行われた。その実験で、MCCIは水をかけて冷却しても、水中でも火山でできる軽石と同じクラスタがコリウム表面に発生し断熱をしていまい、コリウムから水への熱の移動を阻害し、水でMCCIを停止することが非常に難しい事が分った。また、MCCIによって、大量の水素と一酸化炭素が発生し、ジルカロイ・水蒸気反応で発生する水素と合算されることが分った。
 国会事故調査委員会も事故調査報告書[15]で、上記の国内外のMCCIの実験結果より、福島第一原発3号機の爆発は、MCCIによって、大量の水素と一酸化炭素が発生し、ジルカロイ・水蒸気反応で発生する水素と合算され大爆発が起きたと推測すると、一番良く説明できると報告した。
 海外の文献には、MCCIによって、大量の水素と一酸化炭素が発生することは、たくさんの報告がされているから、海外では良く知られているが、日本では原発の安全神話を守るために、このことはブラックボックスとされてきた。
原子力規制委員会の新規制基準の策定時のパブリックコメントで、佐藤暁氏が公開で、このことを指摘しても、規制委員会は無言で押し通した。
 そして、新規制基準には、MCCIによるCOガスの発生は全く考慮せずに、MCCIにより溶融炉心がコンクリートを溶融貫通しないことと規定した。
 その結果、九州電力は新規制基準に対応するために、高熱溶融炉設計の常識とは全く反して、世界中で誰もが行わなかった格納容器貯水冷却対策という珍策を考えだした。
 確かに、3.11事故前の原子炉メーカーの技術者の報告[16]のp.7では「事前水張りの実施例は海外では存在しない」,さらにp.15に水蒸気爆発防止として、下部DW(ドライウェル、格納容器)への事前水張りの禁止・不要化と明記されている。
 新規制基準の適合性審査で原子力規制委員会は当初、この方法には水蒸気爆発の問題が有るのではないかと指摘はしていた。しかし、原子力規制委員会は新規制基準においては、MCCIによるCOガスの発生は全く考慮しなかったので、MCCIによる非凝縮性または/および可燃性のガスの発生はほとんど問題にはしなかった。
 九州電力はMCCIによって少し水素ガスが発生することは認めており、その発生はすべて水・ジルコニウム反応によるとしている。そして、MCCIによって発生する水素の量は炉心内のジルコニウムの6%と計算している。
 しかし、国会事故調査委員会[15]や文献[6]で指摘されているように、MCCIによりCOガスが発生することは、海外の文献ではたくさん報告されている。
 福島第一原発の過酷事故におけるMCCIによるCOガスの発生の有無も検討せず、海外の多数の文献の検討や、国内でも明確な論文が発表されているのに、ほとんど検討もしないことは審査機関としてのレベルの低さを露呈しているものと断言せざるを得ない。
 MCCIによりCOガスの発生が有れば、COガスの発生がないと決めつけて行われる過酷事故対策においては、川内原発の格納容器と原子炉建屋に爆轟が起きて、核燃料が野ざらしになる確率が高くなる。
 九州電力もこの事実を知ってはいるが、コアキャッチャーなどの新設への投入経費を惜しみ、過酷事故の際には、格納容器の下部キャビティへの注水で対処するという方針にしたと推測される。そして、審査書において、格納容器の下部キャビティへの注水開始遅れの影響などについて、MAAP解析コードにより、パラメータを保守的に設定した上でも原子炉格納容器の構造部材の支持機能に与える影響がないことを確認した、とされている。
 格納容器の下部キャビティへの注水開始遅れの影響に関連することについて、旧原子力安全・保安院が、福島事故後の2011年6月に、『東京電力福島第1原発事故に係る1号機、2号機、3号機の炉心の状態に関する評価のクロスチェック解析』[17]という資料を公表している。東電はMAAPで解析して、それを保安院がJNESの支援を受けて別の解析コード(MELCOR)によるクロスチェックを行った結果、地震発生後の1号機原子炉圧力容器の破損時間はMAAPでは約15時間、MELCORでは約5時間と、3倍の差異が生じた。
 従って、事業者によるMAAP解析コードによる評価だけで, 別の解析コードによるクロスチェック無しでは、原子力規制委員会の独立性も専門性も示されておらず、MAAP解析コードによる感度評価も信頼性が高いとは言えない、と言わざるを得ない。

3.過酷事故の際のエアロゾルの発生と挙動と影響

MCCIの進行度合いによっては,非凝縮性の可燃性(爆発性)ガスが放出されると同時に,図1に記され,文献[7, 8]において詳述されているように,大量(トンのオーダー)のエアロゾルが発散され,現在,各電力会社で検討されているフィルタベントが目詰まりを起こしてしまう可能性がある.エアロゾルの発生と拡散のしくみの概略を図2に示す。

fig3-2
図2 エアロゾルの発生と拡散の模式図:出典[18], p.457
流入する流れ(Inlet flow)、壁(wall)、Sorbtion(吸着?), ガス相における化学反応(gas phase chemical reaction)、過飽和蒸気supersaturated vapor)、より低温に(cooler)、凝縮(condensation)、核形成(Nucleation)、エアロゾル(aerosol)、集塊化(Agglomeration)、付着(deposition)、放出(release).

原発の過酷事故におけるエアロゾルの発生と拡散による影響については、米国物理学会の総説[19]と米国原子力規制委員会報告[20]にも詳細な議論と論文紹介がなされている。
このように,水素や一酸化炭素,二酸化炭素などのガス成分だけがフィルタベントに向かって流れていくのではなく,濃い煙のようになって大量の粒子成分を運搬していくことも考慮しなければならない。かなりの量のストロンチウムとプルトニウムが放散する問題が懸念される。フィルタベントの例を図3に示す。

fig3-3
図3 電力会社で検討されているフィルタベントの実例 出典は文献[21]


 図3中の「放射性微粒子(放射性セシウム)を除去率が99.9%以上」については実証的吟味が必要と思われる。例えば、水スクラバが想定されていると思われる常温ではなく、高温の場合、除去率が半減するなどの実験結果もある[22]。
 フィルタベントの性能について、新潟県においては以前から知事を含めて新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会において精力的に審議されている[23]。ちなみに、[23]のp.2, p.7において、MCCIが起きた場合などの質疑もp.2とp.7にあり、東電は回答できていない。関連した分析について[24]が参考になるかもしれない。
 少し古いが, 原子力規制委員会において審議されたと想像される詳細な資料「諸外国の格納容器ベントシステムの設備概要」[25]のp.2,p.3,p.8,p.20, 付-3,付-5には各国のフィルタベントの処理流体の想定温度が具体的に示されている。関連して、p.4 および付録-2にMCCI関連の記述もある。

4. MCCI対策の国際的な動向と川内原発における原子炉キャビティ(圧力容器外)の「水張り対策」

 これまで設置された原子炉プラントに対して、明らかに、すべての過酷事故問題が解決されているわけではない[18]。最も重要な未解決問題は,事故を安定化させ終了させるために、想定された過酷事故の期間に生成される溶融炉心(melt/debris)を冷却することである。第三プラス世代(原子炉世代)の軽水炉における設計における二つの戦略は溶融炉心の圧力容器内保持戦略と圧力容器外保持戦略であるようである[16, 18, 26]。

4.1圧力容器内で溶融炉心を保持する(IVMR)戦略
 溶融核燃料等の冷却と保持を圧力容器内で行う戦略(In-Vessel Melt Retention, 略称はIVMRまたはIVR) は圧力容器の全体または少なくとも下部先端を水浸しにすることにより、PWR圧力容器、またはBWRのドライウェル(格納容器系の中で、圧力抑制室を除いた部分)を冠水させるというアイデアに基づいている。この設計思想はフィンランドのLoviisa VVER-440、PWR設計のAP-600,AP-1000, 韓国の改良PWR-1400、そしてフランスのアレバ社の1000Mwe BWRの設計に採用されている[18, 27, 28]。
 溶融炉心等の圧力容器内での保持の概念図を図4に示す。

fig3-4
図4:溶融炉心等の圧力容器内での保持の概念図。出典は文献[26]。
図4の右図とほぼ同様な図が文献[18]にも記載されている。Qd(qd):溶融炉心が酸化物状態になったプール(以下、プールと略)から圧力容器の下球面部の壁への熱流束、Qh:プールから溶融した金属層への熱流束、Qb(qb):溶融した金属層から圧力容器の円柱側面部の壁への熱流束、Qrad:溶融した金属層の表面からの熱放射損失。熱流束とはある断面積を単位時間に通過する熱エネルギーを意味する。

 IVR戦略が成功する必要条件は圧力容器キャビティ(格納容器内の圧力容器を含む間隙)を初期に、かつ長期間にわたり冠水させること、圧力容器の壁からの熱の除去、格納容器からの熱の除去である[26]。600MWe AP-600原子炉に対する一様なプール(溶融炉心が酸化物状態になったプール)については、圧力容器を囲む水側が伝達しうる臨界熱流束(critical heat flux)とプール側から流入する熱流束に比べて十分な余裕があることがわかった。しかし、この安全性についての余裕は、プールの表面に金属層が生成される場合にはかなり減少するかもしれないと予想されている[18]。図4に示されているように、この金属層はPWRとBWRの圧力容器下部において存在する、プールで溶けた金属の中で生じ、(相対的に)軽いので、プール中の表面に上昇する[18, 26]。金属層はプールからの熱を受けて、圧力容器の壁に垂直にレイリー・ベナード対流熱伝達を行う。そして、これは熱伝達を高く上昇させる。このような熱の集中は金属層が薄い場合には最も強くなる。30cm以下の金属層の場合、集中された熱流束は,図4の右図の赤丸で記されたように、圧力容器下部の半球の均分円の近くでは臨界熱流束を圧倒しうる[18]。
 最近、溶融炉心の構成物質間の化学反応という研究プロジェクトにおいて、溶融炉心プールの中に異なる層配位(layer configurations)が生成されるかもしれないという複雑な事態が明らかになった。最悪の事態は,金属のいくらかがウランと結合してプールの底に沈み、残りの金属がプールの表面に薄い層をつくり、圧力容器の壁に強く,集中した熱流束をもたらすことである[18, 26]。

4.2圧力容器外で溶融炉心を保持する戦略
 溶融核燃料等の冷却と保持を圧力容器外で行う戦略は次のような最近の知見に基づいている[26]。まず、軽水炉の標準的なキャビティは小さすぎるので、圧力容器キャビティ内部でMCCIが始まった後に溶融炉心を冷却することは不可能である。次に、溶融炉心の熱伝導率によりほとんど影響されるので、冷却可能な溶融炉心の厚さは25cm以下である。
 この戦略はフィンランドの原発で最近設計された欧州PWR(EPR)と中国とインドに対して設計されたロシアの新型原子炉VVER-1000に採用された[18]。
 この戦略において、コアキャッチャー(core catcher)が設計されてきた。コアキャッチャーとは,文字通り、炉心(core)のメルトダウンする事故が起こり、溶け落ちた核燃料等が圧力容器の底を突き破って下に落ちても、それを捕獲(catch)して安全な容器に誘導して、薄く広げて一気に冷却するという耐熱性の材料で作られた容器である[3]。文献[16]において、設計想定外事故(beyond- design-base accident、B-DBA)への対策の一環として、コアキャッチャーの設置または計画例などが紹介されている。
 田中規制委員会委員長の発言のように、コアキャッチャーは研究開発段階で、設置はされていないという見方がある[29]が,上述のように、この事実認識は正しくない。そして原子力規制委員会の委員長の認識としてはいかがなものかと言わざるを得ない。
 コアキャッチャーの一例として欧州加圧水型原子炉(EPR)におけるコアキャッチャーを下図に示す。


fig3-5
図5:欧州加圧水型原子炉(EPR)におけるコア・キャッチャー。出典[18]。
引用した図は文献[15]のp.7の左上の図とほぼ同じである。

コアキャッチャーを構成する中心的要素は、原子炉の格納容器下部の床を、通常のポルトランドセメントからなるコンクリートではなく、高温の溶けた核燃料を広い平面状容器に展開し、その容器の表面を守るための特殊素材であると考えられる。この特殊素材が何かについて具体的に記述している文献はまれであるが、図5にはジルコニア(Zirconia, 二酸化ジルコニウム、ZrO2)というセラミックスの一種が記されている。ジルコニアはその熱的特性が優れていることが知られている。すなわち、融点は2700℃で、熱伝導率が他のセラミックスに比べてかなり小さく、かつ金属の鉄や銅と化学反応しないので、優れた耐火物である。
コアキャッチャーの設置の実例については、文献[18, 30, 31]によれば、欧州加圧水炉(EPR)についてはフィンランドの原発とフランスのフラマンビル-3原発、ロシアの新型原子炉VVER-1000については中国広東省の台山原発(タイシャン、Tian Wan)、インドのKundakulam原発に設置されているようである。文献[16]のp.14, pp.17-19には米国のMark型の改良型原子炉と推測される。コアキャッチャーの耐熱性の材料としてはマグネシア(酸化マグネシウム、MgO)が使用されている。
ここで、耐火物[32, 33]として知られているアルミナ(Al2O3)、マグネシア(MgO)、ジルコニア(ZrO2)の他の重要な性質は溶融炉心との化学反応である。同じ金属でも、金属の鉄や銅はAl2O3、MgO、ZrO2とあまり反応しないが、FeOやCuOはAl2O3とはかなり反応する。しかし、MgO、ZrO2、黒鉛は(他の物質との化学)反応が少ないと思われる。MgOの欠点は水蒸気に弱い事、黒鉛は熱伝導率が大きいこと、酸素雰囲気下で燃焼することであると思われる。
次に、ロシアの新型原発のコアキャッチャーを図6に示す。

fig3-6
図6 ロシア型コアキャッチャー。出典は文献[34]。
文献[18, 31]にもほぼ同じ図が掲載されている。1-Containment 8–Basket、2–Reactor, 3–Concretecavity, 4–Concrete cantilever, 5-Device for coolant supply, 6-Device for coolant removal, 7-Ring section heat exchanger,8-Basket, 9–Protective truss, 10– Heat insulation panels, 11-Air cooling channels, 12-Heat insulation, 13–Lower plate。

 図6のロシアの新型原発のコアキャッチャーの耐火物として,何が使用されているか具体的な記述はない。しかし、原子力関係の国際会議報告[35]の2-22ページに、コアキャッチャー材料と溶融コリウムの相互作用に関する新しい実験結果(ロシアLSK/St Petersburg)について「シビアアクシデント時に原子炉容器から放出される溶融コリウムを長期保持するために、ジルコニアベースの耐火材料で作られた原子炉容器外コアキャッチャーが提案されている」との記述がある。さらに、ロシアの新型原子炉VVER-1000についてのKhabenskyらの論文[31]のpp.568-569にZr、Zr-bearing steelという記述もある。
 泉田新潟県知事はコアキャッチャーの必要性にたびたび言及している[36]。
 圧力容器から排出される溶融炉心を広げる効率について、欧州諸国で多くの研究が行われた。そして、保守的な仮定の下で、排出された溶融炉心とコンクリートの混合物が一様に広がることが確認されているようである。しかし、溶融炉心の厚さ約40cmは冠水だけで、その冷却が確実な厚さを超えている。 さらに、広がった溶融炉心プールの中心部が固化するにはかなりの時間がかかる[18]。コアキャッチャーはFe2O3や他の酸化物を含む酸化物からできた耐火煉瓦で満たされている。この目的は排出された溶融炉心の温度を下げ、広い温度領域にわたってそれを液体の状態に保持することである[Sehgal12]。コアキャッチャーの壁は金属であるが、酸化煉瓦により裏打ちされている。溶融炉心とこれらの物質との化学(反応)がいくつかの実験の主題になっていて、選択された酸化物は溶融炉心の中のウランと金属が結合し、溶融炉心プールの底に沈む金属の厚い層を形成するように選ばれている[18, 26]。

4.3 川内原発における原子炉キャビティ(圧力容器外)の「水張り」策の危険な特異性
 国際会議ICONE(International Conference on Nuclear Engineering)[35]は、2000年に開催されたが、原子炉工学に関する国際会議として、原子力発電所の安全性に係る技術を始め、原子炉核工学、伝熱・熱水流動工学、構造強度工学等の原子力の利用に係る幅広い分野における最新の技術情報の交換を目的として、日本機械学会、米国機械学会、フランス原子力エネルギー学会により共催されているようである。この国際会議で3件のコアキャッチャーの報告が行われているが、何れにも「コアキャチャーそのものには直接的な興味はないが」と無関心を明記するなど、日本の技術陣はコアキヤッチャーを全く検討していなかった。
 圧力容器内で溶融炉心を保持する戦略(IVMRまたはIVR戦略)と圧力容器外で溶融炉心を保持する戦略のそれぞれの長所と短所については [18] と[26]において議論されているが、相対的には後者のコアキャッチャーが信頼性は高いと思われる。しかし、いずれの戦略においても、水蒸気爆発のリスク、MCCIのリスクを回避しようとする点では共通している。
 したがって、川内原発における圧力容器外の「水張り」策は、国際的な原子力の業界における上述の圧力容器内と圧力容器外で溶融炉心等を保持する戦略のいずれにも属するとは考えられず、ある意味で珍奇な策であると言わざるを得ない。
 この事実は原子力技術におけるガラパゴス化の一例であったと後に酷評されるかもしれない。

5.福島第一原発・3号機の炉心溶融が当初解析よりも早期に起きた可能性

 本稿で説明したコリウム・コンクリート反応は必ずしも今後の問題ではなく,福島第一原発事故においてすでに起きていた可能性がある[6]。まず,1号機爆発について,政府事故調は水素爆発であり,MCCIにより発生するCOが寄与した可能性は極めて少ないとしている。しかし、国会事故調[15]は3月11日当時,急速に進行する1号機の炉心損傷の状況がオークリッジ国立研究所の解析報告書[38]とも矛盾がないこと、すなわち,MCCIがすでに始まり、水素ガスとともに溶融物が溶け落ちたコンクリートのフロアからは大量のCOも発生し、格納容器の圧力が設計圧力を超過したこととも矛盾しないと指摘している。次に,3号機の爆発について、政府事故調は水素爆発であり,他の可能性を否定している[37]。しかし、国会事故調はMCCIの寄与を加味すると3号機の爆発の説明はより容易になると説得的な分析を行っている[15]。この理由の第1は、燃料被覆材ジルカロイがZr-水反応を起こすのは約20%にすぎないというオークリッジ国立研究所の解析における推定にもとづいて,3号機に非常に大きい爆発力をもたらすには水素の量がやや不足している。MCCIにより大量に発生する水蒸気,H2,CO2,COが爆発したとすれば,爆発性気体は大幅に増量されること。第2に、爆発直前に観察された閃光のオレンジ色はCOの不完全燃焼であるとすれば理解しやすいこと。第3に、爆発で散乱したがれきの著しく高い放射能レベルについても説明がつく。関連して、フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)も黒煙の原因の1つとして,コリウム(炉心溶融物)とよばれる放射性のスラグが格納容器のコンクリートと化学反応した可能性が考えられるという[39]。
 本年8月6日に公表された東京電力による新しい解析[11]によると、1号機でMCCIが起きたが、長くは継続しなかったと述べている。福島第1原発の3号機の炉心溶融は従前の解析に比べて、5時間も早かったということは、3号機の爆発の複合性、すなわち水素爆発とCO爆発の可能性についての国会事故調報告書[15]の記述、論文[6]における考察と整合的である、と思われる。しかし、やや不思議なことに、3号機の事故進行についての記述ではMCCIという用語すら使用されていない。これは何を意味するのだろうか。3号機の事故進行の内実について、近い将来、さらに検討を加えることを示唆しているのかもしれない。

6.まとめ

(1) MCCIにより、コンクリートの骨材が石灰岩系であれば、水素だけではなく、CO2、COも大量に発生し、事故の進行過程により、CO爆発および水素との複合爆発の可能性は否定できない。
(2) 東電の新しい解析により、3号機のMCCIの進行は当初予想を超えていて、実機におけるMCCIの危険性の傍証になっている。
(3) ヨーロッパ、ロシアとアジアの一部では数年前からコアキヤッチャーの取り付けが始まったが、日本では何も対策しなかった。ところが、2011年3月11日に東日本大震災と大津波が有り、福島第一原発の1, 2, 3号炉に溶融核燃料の格納容器下部コンクリーへの沈下を許し、汚染水事故を引き起こした。
(4) 原子力規制委員会の適合性審査の議事録にはコアキヤッチャーが不必要との九州電力、関西電力、北海道電力、四国電力の主張がわずか1行しか記載されていなく、川内原発の審査書案には1行も記載されていないが、九電はMCCIの危険性に対する認識自体はもっていると推測される。
(5) 提案された格納容器下部への注水という方法は,水蒸気爆発の危険性防止を重視する世界的傾向とは異質で、MCCI対策としては危険で、世界的に珍策と言わざるを得ない。

参考文献および参考サイト
[1] 福岡核問題研究会2014年7月26日
川内原発審査書の過酷事故への対策を問う(1) ―格納容器と原子炉建屋が水蒸気爆発で破壊されないことは実機規模で実証されているか―
 
http://jsafukuoka.web.fc2.com/Nukes/blog/files/a2674476e38620f3d8d2f0741b6191b3-21.html
[2] 福岡核問題研究会2014年8月7日
川内原発審査書の過酷事故への対策を問う(2) ―水素爆発対策は可燃性ガスへの引火を契機とする複合爆発の可能性―
 
http://jsafukuoka.web.fc2.com/Nukes/blog/files/0640c347ffd94d9997c19f5985f5d8c6-24.html
[3] 井野博満・滝谷絋一「不確実さに満ちた過酷事故対策」『科学』84巻3号, 333 (2014).
 
http://www.ccnejapan.com/archive/2014/201403_CCNE_kagaku201403_ino_takitani.pdf
[4] 院内学習会:原子力規制のグローバルな状況と日本。2014年4月18日
 
http://www.cnic.jp/movies/5817
 佐藤暁氏の講演資料 
http://www.cnic.jp/files/20140418mokkai_sato.pdf
[5] 佐藤暁、「不吉な安全神話の再稼働」,科学84巻8号2014年P.833
[6] 岡本・中西・三好「炉心溶融物とコンクリートとの相互作用による水素爆発、CO爆発の可能性」、「科学」(岩波)2014年3月号, pp.355-362.
 
https://dl.dropboxusercontent.com/u/86331141/Shiryo/Kagaku_201403_Okamoto_etal.pdf
[7] 田辺文也「まやかしの安全の国―原子力村からの告発」角川SSC新書,2011年.特に,p.198.
[8] 田辺文也、ETV特集「続報 放射能汚染地図」文字起こし(1)
 
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65748609.html
[9] 若杉 冽「原発ホワイトアウト」講談社、2013年。特に、pp.306-307, p.314.
[10] 東京電力、福島原子力事故調査報告書, 2012年6月20日
本編 
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu12_j/images/120620j0303.pdf
添付資料 
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu12_j/images/120620j0306.pdf
[11] 東京電力「福島原子力事故における未確認・未解明事項の調査・検討結果~第2回進捗報告~について」2014年8月6日
 
http://www.tepco.co.jp/cc/press/2014/1240099_5851.html
[12] 中西正之「川内原発の審査書案における爆発防止対策の大きな問題」NERIC NEWS(核・エネルギー問題情報センター通信)No.358, 2014年8月号, pp.6-7.
http://www1.parkcity.ne.jp/eng-tat
[13] 原子力規制委員会,九州電力株式会社川内原子力発電所の発電用原子炉設置変更許可申請書(1 号及び 2号発電用原子炉施設の変更)に関する審査書 (原子炉等規制法第43条の3の6第1項第2号 (技術的能力に係るもの)、第3号及び第4号関連), 平成26年7月16日。
https://www.nsr.go.jp/activity/regulation/tekigousei/data/0058_13.pdf
審査書案 
http://www.nsr.go.jp/public_comment/bosyu140716/gaiyou.pdf
[14] 原子力規制委員会・第58回検討会、資料2-2-7「重大事故等対策の有効性評価に係るシビアアクシデント解析コードについて」(第3部 MAAP) 添付3 溶融炉心とコンクリートの相互作用について。
https://www.nsr.go.jp/activity/regulation/tekigousei/data/0058_13.pdf
[15] 国会事故調の事故調査報告書,2012年.特に,pp. 131-134, p.146, p.159.
 pdf版:
http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3856371/naiic.go.jp/report/ pp.137-140, p.152, p.167-168.
[16] 佐藤崇(㈱東芝)「世界標準と安全設計について~原子力エンジニアからの一提案」,日本原子力学会2010年秋の大会、原子力安全部企画セッション
http://www.aesj.or.jp/~safety/H221021siryou3.pdf 
[17] (旧)原子力安全・保安院『東京電力福島第1原発事故に係る1号機、2号機、3号機の炉心の状態に関する評価のクロスチェック解析』 2011年6月
http://www.kantei.go.jp/jp/topics/2011/pdf/app-chap04-2.pdf
[18] B. R. Sehgal, Nuclear Safety in Light Water Reactors: Severe Accident Phenomenology, Academic Press, 2012.
http://store.elsevier.com/Nuclear-Safety-in-Light-Water-Reactors/isbn-9780123884466/
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[19] 過酷事故の際における放射性核物質の放出についての米物理学会報告、
Report to the American Physical Society of the study group on radionuclide release from sever accidents at nuclear power plants, Rev. Mod. Phys. Vol.57, No.3, S1, July 1985.
特に、MCCIについてはIV.A.8, IV.B.6,エアロゾルの理論と実験についてはIV.Cを参照。
http://journals.aps.org/rmp/pdf/10.1103/RevModPhys.57.S1
[20] 米国原子力規制委員会、報告NUREG-1465(1995), Accident Source Terms for Light-Water Nuclear Power Plants.
http://pbadupws.nrc.gov/docs/ML0410/ML041040063.pdf
[21] 東京電力「フィルターベント設備の概要について」2013年7月17日。
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/2013/images/handouts_130717_03-j.pdf
[22] NHKスペシャル メルトダウン File.4 放射能"大量放出"の真相、 2014年3月16日(日).
 
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2014/0316/
 
http://www.at-douga.com/?p=11050
 文字起しは以下のHP参照。
 
http://d.hatena.ne.jp/cangael/20140321/1395391108
 
http://d.hatena.ne.jp/cangael/20140320/1395273547
 
http://d.hatena.ne.jp/cangael/20140321/1395353417
[23] 新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会、2014年2月11日および5月9日一部追加。フィルタべント設備に関する確認事項
 http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/282/188/No.12.pdf
[24] AM-ベント、排熱:畑のたより、環境・核篇:So-netブログ
 
http://hatake-eco-nuclear.blog.so-net.ne.jp/archive/c2304696589-1
[25] 旧原子力安全委員会 原子炉安全基準専門部会 共通問題懇談会 第8回 PSA検討ワーキンググループ「諸外国の格納容器ベントシステムの設備概要」
 
http://www.nsr.go.jp/archive/nsc/senmon/shidai/genshiro_kyoutsu_psa/genshiro_kyoutsu_psa008/msiryo5.pdf
[26] Jiří Duspiva, Comparison of In-Vessel and Ex-Vessel Retention, Nuclear Codes & Standards Workshop,Prague, July 7-8, 2014.
https://www.asme.org/wwwasmeorg/media/ResourceFiles/Events/NuclearCodesStandards/2014PragueWorkshop/Duspiva.pdf
[27] In-Vessel Melt Retention は韓国の改良型PWR(APR1400)でも取り組まれている。このAPR1400は以下の韓国電力公社のサイトによると、韓国の古里(コリ)原子力発電所で2基建設中(2基建設予定)、ハヌル原子力発電所で2基が建設中(2基建設予定)とのことで、進捗状況は古里が完成間近でハヌルは6割とのこと(APR1400はアラブ首長国連邦に輸出予定の原発)。
 
http://cms.khnp.co.kr/eng/nuclear-power-construction-overview/
[28] 韓国とアメリカの共同研究の最終報告、2005年1月. In-Vessel Retention Strategy for High Power Reactors
 
http://www.inl.gov/technicalpublications/documents/3028289.pdf 
[29] 原子力規制委員会記者会見録、2014年7月2日。
 
https://www.nsr.go.jp/kaiken/data/h26fy/20140702sokkiroku.pdf
[30] 原子力百科辞典(ATOMICA) 欧州加圧水炉。
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=02-08-03-05'
[31] V. B. Khabensky et al., Severe accident management concept of the VVER-1000 and justification of corium retention in a crucible-type core catcher, Nuclear Engineering and Technology, Vol.41 No.5, p. 561, June 2009.
http://kns.org/jknsfile/v41/JK0410561.pdf
[32] AGCセラミックス株式会社。「結合耐火物とは」
 
http://www.agcc.jp/2005/material/02_01.html
[33] ニッカトー株式会社 http://www.nikkato.co.jp/
ニューセラミックスと耐火煉瓦の両方の製造を行っている会社でアルミナ、ジルコニア、マグネシアの物性が記載されている。
http://www.nikkato.co.jp/Cera/taika_chara.html?keepThis=true&TB_iframe=true&height=700&width=1010
[34] Saint Petersburg Institute "ATOMENERGOPROEKTATOMENERGOPROEKT” (JSC SPAEP) Main Features of Safety Concept for Modern Design of NPP with High Power VVER Reactors ( AES-2006 Design for Leningrad NPP-2)
 
http://www.ats-fns.fi/index.php?option=com_joomdoc&task=doc_download&gid=89&Itemid=&lang=fi
で検索して、AES-2006 Designをクリックするとダウンロード可能。
[35] 『平成12年度 ICONE-8 に関する報告書、平成13年3月(財)原子力発電技術機構・原子力安全解析所。(2001年3月)
 
http://www.nsr.go.jp/archive/jnes/atom-library/H12_3_42.pdf#search='TROI%E5%AE%9F%E9%A8%93
[36] 泉田新潟県知事のコア・キャッチャーの必要性に言及したインタビュー
http://shanti-phula.net/ja/social/blog/?p=71220
http://ameblo.jp/shizuokaheartnet1/entry-11796449108.html
https://twitter.com/hashtag/%E6%B3%89%E7%94%B0%E7%9F%A5%E4%BA%8B
[37] 東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会最終報告, 2012年.p. 50, pp. 69-73.
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/icanps/post-2.html
[38] 米国原子力規制委員会(NRC), NUREG/CR-2182(1981), pp.74-120,
http://web.ornl.gov/info/reports/1981/3445600211884.pdf
[39] フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)の見解.
http://www.afpbb.com/articles/-/2792610?pid=7005562

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