川内原発が動く前に声をあげ行動しよう

川内原発が動く前に声をあげ行動しよう

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福岡核問題研究会
2015年7月25日


 現状での再稼働は科学的・技術的にはもちろん、法的にも制度的にも、さらには倫理的・道義的にも間違っています。まず、「負の遺産」としての核廃棄物をこれ以上増やすべきではありません。また、このまま川内原発を再稼働すれば、福島原発事故を上回る大災害を招く恐れがあります。それは、原発事故の原因となる災害や問題などの想定と対策が甘過ぎ、過酷事故対策や航空機の衝突・テロ対策などが国際基準にも満たないためです。原子力防災・避難計画の備えと訓練などが全く不十分だからです。特に、噴火・地震等による原発事故と天災の複合災害への対応や、災害弱者の避難計画などが問題です。
 原子力規制委員会は推進側の論理に負けて、違法で不当な審査で九州電力の申請を許可し、規制基準が必要とする安全対策にさえ猶予期間を与え避難計画の有効性は審査していません。やむを得ず市民が原子力規制委員会に許可取消しと審査手続き中止を法的に昨年申立てましたが、申立ての回答はいまだに放置されたままです。九州電力は多くの周辺自治体の議会決議を無視して住民説明会を開催しません。九州電力を監督すべき経済産業省は、民主社会を冒涜し社会的責任を放棄する不適切な事業運営の改善を命令していません。
 福島原発事故を招いた過ちを繰り返してはなりません。人災や自然災害などによる事故を防ぐためには、安全性を経済性などより優先するように、技術的・政治的判断などのあらゆる場面で倫理性を尊重しなければなりません。正しい判断と言動が立場を損ない潰される代わりに、守られ評価される仕組みが必要です。
 日本のエネルギー政策の目標は「3E」、つまり「エネルギー安全保障(Energy Security)」「経済性(Economy)」「環境適合性(Environmental Conservation)」を重視しましたが、福島原発事故の後に「安全性(Safety)」を入れて「3E+S」と言われています。しかし、福島では核燃料保管プール(核燃料のジルコニウム火災など)の危険性が残り、放射能汚染水は増え続けています。溶けた核燃料の状況は把握されておらず再臨界の恐れがあり、状況はコントロールされていません。自主避難者含め十数万人以上の原発避難者が救われていません。
 それでも安倍政権や原発メーカーなどが原発の稼働と輸出を企てているのは、良心がマヒしている証拠です。科学的・技術的に具体的な問題が指摘されても都合悪ければ不正やごまかしが横行し、目先の利益と立場を守るために他者の犠牲や環境破壊を見過ごす原因は倫理性の欠如です。
 よって、倫理委員会の結論で脱原発を決断したドイツに見倣い、日本でも倫理(Ethics)を加えて(4E+Sで)エネルギー政策を考える必要があります。これまでの悪しき慣習を断ち切り自らの欠点や弱さを反省し、倫理的な正しさを尊重し、安全性を優先して判断することは大変で難しいことです。川内原発は世界で一番の火山リスクがあり大噴火も想定されます。噴火の影響で原発事故が起きた場合、放射能まみれの火山灰が世界中に降り注ぐ恐れがあります。再稼働中止は、こうした災害に対処するよりは簡単で実現可能な道であり、倫理性を尊重する判断です。
 日本政府は平和憲法に違反してでも集団的自衛権を認めさせて、海外に派兵できる道を進めていますが、これは日本を敵視する勢力が増えて原発が攻撃される危険性を増します。核攻撃を防ぐために核武装すべきとの考えもありますが、人類絶滅の危険さえある可能性が高い力によるコントロールから、良心と理性に基づいたコントロールに転換すべきです。間違いを犯し利己的で悪意を抱いてしまう人類が、安心して住み続けられる平和な世界を実現するためには、危険で管理の難しい核物質の製造・保管・利用の禁止こそが唯一の正しい道であると考えます。
 ヒロシマ・ナガサキ・フクシマを経験した日本が、率先してこれを実行することが世界の希望になります。大飯・高浜原発では運転を差し止める判決が出ましたが、川内原発の再稼働中止を求めた裁判は不当な判断で否決されました。川内原発の再稼働が8月早々に強行されうる現状で、最後に期待できるのは国内外の市民の声です。次頁からの内容とリストを参考に、関係各所への働きかけをお願いします。



「川内原発の再稼働問題などに関する参考サイト」

・福岡核問題研究会
http://jsafukuoka.web.fc2.com/Nukes/
・原子力市民委員会
http://www.ccnejapan.com/
・再稼働阻止全国ネットワーク
http://saikadososhinet.sakura.ne.jp/ss/
・川内原発に関する異議申立て
http://objection-to-nuclear-regulation.jimdo.com/
 1月21日意見陳述(録音)
http://1drv.ms/1zMSmOf
 5月26日意見陳述(録音)
http://1drv.ms/1dEn7e2
 保安規定の認可取消を求める異議申立書
http://1drv.ms/1HXU4Lq
・原子力規制を監視する市民の会
http://kiseikanshi.main.jp/
・原発なくそう!九州川内訴訟
http://no-sendaigenpatsu.a.la9.jp/
・国際環境NGOグリーンピース
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/staff/blog/53052/
・3.16 - さよなら原発!かごしまパレード
http://goodbyenukes-kagoshima.jimdo.com/
・原子力資料情報室
http://www.cnic.jp/
・さよなら原発!福岡
http://sayonaragenpatu.jimdo.com/


「再稼働中止を働きかけて頂きたい関係機関」

・首相官邸(ご意見・ご要望)
https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken_ssl.html
・九州電力 092-761-3031 (原子力情報)
http://www.kyuden.co.jp/nuclear_index.html
 (お問い合わせ)
https://www1.kyuden.co.jp/php/inquires/index.php/form/input/104
・原子力規制委員会 (問い合わせ先)03-5114-2190
https://www.nsr.go.jp/ssl/contact/
・経済産業省(ご意見)
https://wwws.meti.go.jp/honsho/comment_form/comments_send.htm
 9月12日付_経済産業大臣から鹿児島県知事への再稼働要請文書(鹿児島県HP)
http://www.pref.kagoshima.jp/aj02/infra/energy/atomic/documents/42584_20141118140619-1.pdf
・鹿児島県(知事への便り)
http://www.pref.kagoshima.jp/chiji/tayori/tayori/index.html
 (知事公室広報課)099-286-2093 FAX: 099-286-2119 メール: kohoka@pref.kagoshima.lg.jp
 川内原子力発電所 再稼働について
http://www.pref.kagoshima.jp/infra/energy/atomic/index.html
・薩摩川内市(広聴広報グループ)0996-23-5111 FAX: 0996-20-5570 メール: koho@city.satsumasendai.lg.jp
http://www.city.satsumasendai.lg.jp/www/contents/1096868307578/index.html
 (原子力)
http://www.city.satsumasendai.lg.jp/www/genre/0000000000000/1209705472764/index.html
https://www.facebook.com/SatsumasendaiCity
・三菱重工(川内原発のメーカー)
http://www.mhi.co.jp/inquiry/inquiry_nuclear.html

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