原発シンポジウム 深層防護と川内原発の経年劣化問題

原発問題オンライン・シンポジウム


日 時:2023年8月26日(土)10:00〜12:00
テーマ:原子力規制における深層防護と川内原発の経年劣化問題
講演1: 岡本良治氏(九州工業大学名誉教授)
   発表資料
    「原子力規制における深層防護〜その深掘りと拡張〜」
講演2:中西正之氏(元燃焼炉設計技術者)    
発表資料
    「川内原発の運転期間延長にかかわる経年劣化問題」
主 催:福岡核問題研究会

ZOOM情報:ミーティングID: 815 151 6469  パスワード: 3KsYt4
URL情報:
https://us05web.zoom.us/j/3232431862?pwd=aHQ5TFNCN2FIY2ZuTklubHkweWVDQT09

<報告>

 二人の講演の後,研究会から2つの声明(「岸田首相の原発最大限活用方針に反対する」(2022.12.19)と「束ね法案は廃案にせよ〜原発復権は日本衰退の道〜」(2023.5.30))を紹介するとともに,8月24日に始まった「アルプス処理汚染水」の海洋放出について原子力市民委員会の「見解」(注1)にもとづき海洋放出の問題点をモルタル固化や大型堅牢タンク保管を検討していない点を指摘した.

 出席されていたJSA代表幹事の山本富士夫氏から大型堅牢タンク保管についてのアイデアはJSA原子力問題研究委員会の方が早かったのではという発言があった.放射性廃棄物の海洋投棄は,もともとロンドン条約(「廃棄物その他の投棄による海洋汚染の防止に関する条約」)で禁止されており,その点でも問題がある.

 原発推進派は,深層防護の第4層を無ものにしようとしているのではないかという質問があり,それに対して岡本氏は,IAEAや原子力規制委員会は第4層を実質的にいらないとのお墨付きを与えており,それは既存の原発の運転をなんとかさせようとの意図があるのではないかと回答された.また,経年劣化問題に関連して川内原発に「設計ミス」があったのかという質問に対して中西氏は明確に「設計ミスはあった,しかし設計ミスをそのままにするのではなく,どう改善するのかという点が大切ではないか」と回答された.

 最後に,高濃度放射性廃棄物の処理が未解決のまま存在するのが原発ではあるが,その原発の放射性廃棄物に関して法律にはどのように書かれているのかという質問が提出されたが,それについては未解決のままシンポジウムは終了した.

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