2月例会「いわゆる増田論文問題について」

2月例会


日時:2016年2月20日(土)14:00〜16:00
内容:いわゆる「増田論文問題」について 
レジュメ 報告パワーポイント
報告者:三好永作

<報告>

 2月例会では,いわゆる「増田論文問題」について三好が報告した.「増田論文問題」とは,『日本の科学者』2015年10月号pp.38-41に掲載された「福島原発事故による放射性ヨウ素の拡散と小児甲状腺がんとの関連性,およびその危険性」と題した増田善信氏の論文が自分たちの著書『放射線被曝の理科・社会』を批判する目的で書かれたものであると判断した清水修二・野口邦和・児玉一八の3氏が「放射線被曝の影響評価は科学的な手法で 甲状腺がんをめぐる増田善信氏の論稿について」という論文を『日本の科学者』に投稿したが,編集委員会により掲載を見送るという決定を受けたため起きている,JSA内外の一連の動きである.
 3氏は,この措置を非民主的であるとしてJSAを退会届けを提出し,そのうち一人は東京支部で届けが受理された.この問題に関連して他のJSA会員の一人も退会を表明していると聞く.
 これら2つの論文(以下、掲載されなかった清水・野口・児玉論稿も論文と呼ぶ)を読み冷静に問題点を検討してみた.検討の結果を結論的に言えば以下の3点にまとめられる.①清水・野口・児玉論文は,「増田論文のターゲットは『放射線被曝の理科・社会』を批判すること」という妄想のもとで書かれたものである.増田論文のターゲットは県民健康調査検討委員会の「中間とりまとめ」である.②清水・野口・児玉論文では,「放射線被ばくの影響評価は科学的な手法で」というタイトルにもかかわらず,科学的ではない主張や枝葉末節での「批判」が展開されている.③『日本の科学者』編集委員会が清水・野口・児玉論文を掲載を見送るという決定をしたのは妥当である.

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