福岡核問題研究会5/23

5月23日に以下の話題で核問題研究会が開催されました.

(1)「水素エネルギー利用における技術的諸問題」(話題提供:森田)
(2)「2030年のエネルギーミックスについて」(話題提供:中西)

(1)について
水素エネルギー利用についてキーとなる燃料電池の動作温度は一般に高い.その中で30〜100℃と動作温度が比較的低い固体高分子形燃料電池(PEFC)は,自動車用などに使われている.しかし,自動車用燃料電池では1台あたり100g以上の白金(Pt)が必要といわれ,資源およびコストの面から問題となっている.燃料電池車で使われている水素貯蔵タンク内の圧力は通常350気圧であり,かなり高気圧である.400kmの連続運転を可能にするためには700気圧が必要となる.気圧が高くなれば,水素の漏れる量は多くなる.タンクからの水素の漏れは基本的には解決できていない.また,九州大学の水素ステーションは一度爆発しており,原因不明のまま研究は続けられているが,高圧水素貯蔵タンクの破裂の危険性もあるといわざるをえない.これらの問題の他にも,水素ステーションのインフラ整備の問題や水素自体の値段もガソリン並みに下がる見込みはなく,燃料電池自動車が市場に拡がるには多くの問題があるように思える.

(2)について
経産省は,4月28日,2030年度の電源構成目標について,原発依存度を20〜22%程度とする方針を示した.
原発        20〜22%
再生可能エネルギー 22〜24%
LNG          〜27%
石炭火力       〜26%
石油火力       3%
ほとんどの原発が停止していた2013年の実績が以下であることを考えると
原発         1%
再生可能エネルギー    11%
LNG          43%
石炭火力       30%
石油火力       15%
昨年の4月には「原発は可能な限り低減する」と言っていた安倍政権がはっきり原発回帰へのシナリオを発表したと言える(因みに福島事故前の2010年の原発依存度が28.6%であった).40年廃炉ルールを厳格に運用し,新増設や建て替えがない場合の2030年時点原発依存度は15%程度となるという試算がある.新増設がないのであれば,40年廃炉ルールの厳格運用を止める以外になく,原発の安全性についての検討が不十分にならないか.再生可能エネルギーについては,地熱1.0〜1.1%,バイオマス3.7〜4.6%,風力1.7%,太陽光7.0%,水力8.8〜9.2%となっており,特に風力の割合が低い.CO2排出の多い石炭火力の依存度がそれほど減少していないのも気になる.

中西氏の報告  
pdfファイル
inserted by FC2 system