1月例会 破局的噴火の間隔&エネルギー基本計画の検討

1月例会


日時:2018年1月20日(土)14:00〜16:30
話題:
(1)破局的噴火の間隔についての研究とカルデラ噴火の影響の範囲
   (話題提供:森永 徹氏)  
発表資料
(2)日本のエネルギー基本計画の検討
   (話題提供:中西正之氏) 
発表資料

<報告>

はじめに森永氏が,地球惑星科学の専門誌Earth and Planetary Science Lettersに昨年末に掲載されたRougier氏らの論文 ”The global magnitude–frequency relationship for large explosive volcanic eruptions” を,火山の超巨大噴火がこれまで考えられてきた以上に高い頻度で起きていると紹介された.これまで超巨大噴火は,4.5万年から71.4万年ごとに発生すると考えられてきたが,この論文では0.5万年から4.8万年ごとに超巨大噴火が発生しているという結果が得られているという.その上で,日本における超巨大噴火の歴史についてのレビューをされた.日本における超巨大噴火の発生は1万年に1回程度と極めて低いが,最後の鬼界カルデラの超巨大噴火(マグニチュード8.1)から7300年経ていることを考えれば,あり得ないことと安心することは決してできないことであるという.

 次に,中西氏が「日本のエネルギー基本計画の検討」を報告された.2014年における日本の一次エネルギーの中で,再生可能エネルギーの占める割合は7.8%と少なく,どう急速に割合を増加させるかが課題である.しかし,今の安倍政権は,発電ボイラー用石炭の使用量を増やし,世界の流れに逆行している.中西氏は,豪州で褐炭から水素を製造し,液化水素運搬船により日本に輸送するプロジェクト(豪州褐炭水素プロジェクト)を有望な方法として紹介された.この過程で生ずるCO2は,将来的には地下に貯留することを見据えているという.これは基本的にはエネルギーの自給には寄与しないプロジェクトであり,大きな期待を寄せれるかどうかは検討を要するように思われる.

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