福岡核問題研究会7/5

福岡核問題研究会が以下の日程・議題で開催されました.

日時:7月5日(土)午前10時より
場所:九大筑紫キャンパス 総合研究棟5階511室
議題:(1)低炭素社会に向けた石炭火力発電の最新技術について(報告:中西)
   (2)内部被ばくについての一考察(報告:三好)

それぞれの報告は,以下にpdfファイルが有りますので参考にしてください.

(1)低炭素社会に向けた石炭火力発電の最新技術についての中西報告
(2)内部被ばくについての一考察についての三好報告

(1)の議題について
 石炭火力発電の最新技術は,低炭素社会に向けて大切であるが,特に,エネルギー自給率の低い日本において,特に大切である.石炭火力発電の最新技術において大切な点は石炭のガス化であるが,石炭ガス化発電設備は,石炭を完全にガス化することと石炭灰を完全溶融してガラス化する無害化処理が必要となる.これらの問題をクリアーしたのが、テキサコ式石炭ガス化炉であった.その後,溶融灰に長期間浸食されない耐火煉瓦の開発によりテキサコ式石炭ガス化炉は実用炉となった.
 石炭ガス化発電は,高温で処理するために,これまでの石炭火力や石油火力に比較して生産電力あたりの二酸化炭素排出量が抑えられる点だけでなく,排出された二酸化炭素を回収して井戸を通して地中に封じ込める技術の実用化に向けたCCS(Carbon dioxide Capture and Storage)という実証試験がなされているという.もし,このような技術が実用化されれば,大気中の二酸化炭素を吸収して成長した木材によるバイオマス発電から排出される二酸化炭素に対して,CCSが実行出来れば,地球温暖化の主要な要因の一つと考えられている二酸化炭素を減少していくことも,決して夢ではない.

(2)の議題について
 内部被ばくと外部被ばくは根本的に異なった被ばく形態である.
 外部被ばくで問題となるのは,主にγ線であり,α線やβ線はあまり問題にならない.γ線は一定の割合で人体と相互作用して,人体に一定のエネルギーを付与して,元のエネルギーのほとんどを持ったまま体外に出て行く.
 一方,内部被ばくで問題となるのは、α線やβ線であり、γ線はほとんど問題にならない.このα線やβ線の内部被ばくでは,これらの放射線のエネルギーのほとんどは,体内の細胞に付与されることになる.この意味で,α線やβ線の内部被ばくは,γ線の外部被ばくとは,根本的に異なった被ばく形態である.これらの内部被ばくによる被ばく線量がどの程度になるかを考えた.

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