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講演会「現在の情勢をどのように読み解くか」

日本科学者会議福岡支部講演会


日時: 5月15日(日)15:30〜17:00(開場15:10)
会場: 久留米大学福岡サテライト・天神エルガーラオフィス6階(国体道路側入口より)
講師: 石川捷治氏 (九州大学名誉教授)
講演題目: 現在の情勢をどのように読み解くか―参院選挙を前に

内容: 今日、私たちは戦後最大の歴史的分岐を迎えている。安倍政権の暴走が続き、3月29日には戦争法が施行された。安保法制(戦争法)廃止の運動も「市民革命的状況」を先駆的には生みだしつつ展開している。参院選挙を前にした現状と展望を如何に捉えるべきだろうか。
今回の選挙は、市民運動と野党共闘の前進のなかで、「政治は変えられる」という希望が広がり、有権者の投票行動に大きな変化が起こる可能性もある。この情勢をどのように読み解くか、みんなでご一緒に考えてみたいと思います。
kouen2016.5.15


<報告>

JSA福岡支部では、例年5月の支部大会の折りに、その時々の情勢に応じた公開講演会を開催しています。今年は、5月15日(日)に久留米大学福岡サテライト・天神エルガーラオフィス6階において、表記の演題で石川捷治・久留米大学客員教授(九州大学名誉教授)に講演をしていただいた。いま安倍政権の暴走が続き、この3月29日には「戦争法案」が施行され日本が「戦争加害者」になる可能性が現実味をおび、多くの被災者を出した熊本地震が起こり、その地震動が長引いているにもかかわらず、市民の不安をよそに川内原発は稼働を続けているという情勢の中で、30名の会員・市民が参加して、石川氏による政治情勢分析を聞いた。
講演で氏は現状を、明文改憲を目指しながら、立憲主義を否定し、憲法よりも日米同盟を優先し、米軍とともに海外で戦争することを厭わない安倍政権下での「上からのクーデター・憲法クーデター」ともいえるような状況にある、と指摘した。しかし、一方ではそれに反発する市民革命的状況の端緒も見えているとして、現政権の危険な動きの分析とそれに対する5野党党首会談の合意や様々な市民運動についての分析がなされました。また、こうした現象は日本だけではなく広く世界的な現象でもあること、歴史的には急激な反動化に対して自然発生的に統一戦線が生じた事例も間々あることも指摘されました。さらに、参院選を巡る福岡の具体的な状況、市民連合福岡の結成などについての分析も加えられました。
つまり、日本の現在の政治状況はまさにこのままファシズム的方向へ進むのか市民革命的にその方向を転換させてゆくのかが問われている歴史のターニングポイントにあるとの分析です。その中で夏の参院選挙は、市民運動と市民からの押し上げによって実現した野党共闘の前進のなかで、「政治は変えられる」という希望が広がり、有権者の投票行動に大きな変化が起こる可能性もあることが示されました。
(小早川義尚)
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