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講演会「アベノミクスを批判する」

日本科学者会議福岡支部講演会



日  時: 5月10日(日)15:30〜17:00
会  場: 久留米大学福岡サテライト・天神エルガーラオフィス6階
講  師: 久野国夫(九州大学・経済学研究院・教授)
講演題目:「アベノミクスを批判する」
講演要旨:
 期待通り円安となりアベノミクスがもてはやされているが、これは多分に「期待」が先行しているもので、メッキははげはじめている。アベノミクスの「3本の矢」について経済原論的に批判するとともに、今日の日本企業の生産グローバル化の実態について、近年の東南アジア進出の日系企業調査により紹介したい。同時に野中や古賀など自民党員からも批判が出ている安倍晋三自民党極右派政権が、なぜ登場したのか、その背景についても一緒に考えたい。

<講演会の報告>

 5 月10 日(日)、例年通り、支部定期大会の後、JSA 福岡支部講演会が開催されました。今回は、九州大学・経済学研究院・教授、久野国夫氏に「アベノミクスを批判する」と題して、現在の安倍政権による経済政策についての講演をしていただきました。講演会には、定期大会参加者に加え市民の方の参加もあり20 数名の参加者がありました。講演概要は、以下の通りです。
 まず、アベノミクスの「3 本の矢」について、それ自体は特に特徴もないケインズ経済学的政策に過ぎないこと、また、実情は、安倍政権の思惑通りには進んでいないことを具体的な経済指標・政策等を示しながら解説されました。また、貨幣論の観点からの批判として、貨幣機能の基本的な説明とともに経済のグローバル化の下での日本の経済の状況について解説していただきました。企業の海外進出(逃避?)による国内製造業就業労働者数の激減・労働者の給与の長期減少傾向・国民一人当たりのGDP の国際比較(順位の長期後退傾向、1992 年度4 位、2002 年度9位、2012 年度16 位、2014 年度27 位)等の資料をもとに、安倍政権が極端な金融緩和による円安とそれに伴う輸出大企業の増収、年金基金の株式運用などによって株価の上昇を盛んに宣伝しているものの、勤労国民の生活は悪化していると厳しく批判されました。
(報告者:小早川義尚)

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