公開質問Q1と九電の回答

<公開質問Q1>

原子力規制委員会設置法と電気事業法の目的は「国民の生命,健康及び財産の保護,環境の保全並びに我が国の安全保障に資すること」と「公共の安全を確保し,及び環境の保全を図ること」である.そのために,福島原発事故の様な原子力災害を確実に防止することが政府と九州電力に求められている.
福島原発事故の教訓の最も大切な点は,滅多に起きないが影響の大きい,いわゆる「低頻度・高影響」の事象への対策を無視したことである.原子力規制委員会(以下,規制委)は,国際原子力機関(IAEA)の深層防護における第4層の過酷事故対策の実践を「(事故の可能性が小さければ)実質的に不要」とする「新規制基準の考え方」[1]で審査を行い,水蒸気爆発や航空機激突等の対策を要求していない.この「可能性が小さければ対策しない」という審査基準は,福島で「大地震・大津波対策」を怠り未曾有の公害・人災を招いた考え方と同一である.そもそも,過酷事故のシーケンスの発生確率を精確に見積もることは,容易なことではない.「可能性が小さければ対策しない」との考え方だけでなく,「可能性の小ささ」を単純に信用してしまう態度も大いに問題である.
このように,過酷事故対策は「(事故の可能性が小さければ)実質的に不要」であるという規制委の極めて楽観的な審査基準について九州電力はどう考えているか?

<Q1に対する九電の回答>

当社、福島第一事故を受けまして、核原料物質、核燃料物質および原子炉等規制に関する法律が改正されまして、事故の教訓や最新の技術的知見、海外の規制動向等を踏まえた、原子力発電施設にかかる、新たな規制基準が策定され、その中で新たにシビアアクシデント対策と、-- これがIAEAで言う第四層の過酷事故対策と言うものと考えております。-- それが新設され、その項目として、意図的な航空機衝突への対応、格納容器破損対策、炉心損傷防止、こういったことが重大事故等対策として明記されていると。それと、あと当社の原子力発電所としては、原子力規制委員会より深層防護を基本とした新規制規準に適合しているとの判断を受けていると言うことと考えております。
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