12月例会 中央構造線&水蒸気爆発実験

12月例会


日時:2018年12月15日(土)10:00〜12:30
話題:(1)「中央構造線は九州にまで達している」(話題提供:森永徹氏)
      報告資料
   (2)「水蒸気爆発実験装置における日本と諸外国の技術差」
     (話題提供:中西正志氏) 報告資料
 
<報告>

 はじめに,森永氏により「中央構造線は九州にまで達している」という報告がなされた.
 次に,中西氏により「水蒸気爆発実験装置における日本と諸外国の技術差」として,過酷事故時の水蒸気爆発に関する実験およびシミュレーションによる研究のレビューがなされた.原発の過酷事故により発生する高温の溶融核燃料(コリウム)が格納容器底部のコンクリート上に落下すると,コリウム・コンクリート反応(MCCI)により,水素や一酸化炭素(CO)が発生し,水素爆発などの危険が生ずることになる.この危険を除くために格納容器の下部キャビティに大量の水を貯め,コリウムを冷却する方法が提案された.しかし,この方法はより大規模な水蒸気爆発を誘発し,より大きな被害をもたらす危険があるため,そのモデル実験やシミュレーションによる研究が世界各国の原子力研究機関で行われるようになった.その中でKROTOS実験やTROI実験,COTELS実験などの試験装置の説明があった.これらは極めて高度な技術を駆使したものになっているという.それらに比べて,日本の研究機関で行われている水蒸気爆発の実験は,独自のオリジナルな実験装置で行うというのではなく,外国の設備を借用して行っているという.氏は,あまりにも格差がありすぎるのではないかと嘆いた.
 例会の後,午後から原発なくそう九州玄海訴訟弁護団の弁護士数人と研究会メンバー数人で,原発の問題点に関する意見交換を行った.

inserted by FC2 system