脱原発をめざす

JSA声明・大飯原発再稼働

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写真はサイトhttp://portirland.blogspot.jp/2012/05/12.htmlより
日本科学者会議事務局長声明
「大飯原発再稼動の方針を撤回し、原発のない日本への決断をただちに行え」

日本科学者会議は.6月13日,事務局長名(米田貢教授,中央大学)で大飯原発再稼働に関する以下のような声明を発表しました.この声明は,6月8日の野田首相会見での大飯原発3,4号機の再稼働宣言に対するものですが,わがJSA福岡でも大会決議(5月13日)により「原子力発電の再稼働は認められない」との見解を発表しています.野田首相の再稼働宣言が問題なのは,福島原発の事故の原因が明確になっていない段階で,再稼働しても「実質的には安全は確保されている」としている点である.経産省の原子力安全・保安院が暫定的に提示した原子力事故対策30項目の半分が未達成のままである.ベントのフィルターや免震重要棟などの設置がないままで「安全確保」は達成できないのは明々白々である.さらに,大飯原発の直下に活断層が存在するとの指摘もある.これらの問題を残したままの再稼働はやはり納得できない.

以下が声明の全文です.

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大飯原発再稼動の方針を撤回し、原発のない日本への決断をただちに行え

日本科学者会議事務局長 米田 貢

 東電福島第一原発事故は、日本で三番目に広い福島県の
200万県民をはじめとする広域の住民を原子力災害に直面
させた。高線量のゆえにこれから何十年もふるさとに戻る
ことができない難民を大量に生み出し、全国各地で放射線
被害に不安を覚える家族と地域内に亀裂を生みだしている。
放射能汚染は、広域にわたる陸海の生態系に重大な影響を
及ぼし、農林水産業にも重大な打撃を与えている。
 この過酷な原発事故を実際に経験した日本で、二度と同
じ過ちを起こさないために政府が取るべき道は一つしかな
い。停止中の50機の原発を再稼働することなく、原発のな
い日本への決断をただちに行うことである。そこから、新
たな知恵と展望が生まれてくる。原発を再稼動しなくとも
よい日本社会を築くためにどのような工夫と努力が必要で
あるのかを、政府、地方自治体、電力会社を含む企業、科
学者・技術者、国民が、それぞれの立場で真剣に考え、力
を合わせる。日本の将来を担う子供たちあるいは幾百千年
以上にわたる日本の将来世代に対して、現在を生きる私た
ちが果たすべき、そして果たしうる歴史的、社会的責任は、
これ以外にない。
 根拠のない新たな安全神話をふりまくことは、許されな
い。また、電力供給不足を過大に見積もり、その社会・経
済への影響をことさらに強調して、これと原発が直ちに事
故を起こす危険性とを天秤に掛けて世論を誘導する手法を
政府はとってはならない。このような非科学を排し、歴史
の審判に恥じない決断を、日本政府とすべての政治家はた
だちに行うべきである。

2012年6月13日
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